国産の汎用ムーヴメントの「なぜ」と感じた意外な点について、先週は GMT機能を装備した国産外販用自動巻きが、セイコーとシチズン・ミヨタから2023年になって初めて、しかも両者揃ってリリースされたことに伴い、GMTウオッチの製品化が加速していることを紹介した。
4回目となる今回はその続編として、これまで筆者も当たり前のこととしてあまり気にもしていなかったが、今回GMTウオッチを実際に作ってみてあらためて「なんでだろう」と不思議に感じた点について書きたいと思う。
前回と重複するがまずはGMT機能について説明すると、ロレックスの人気モデル、GMTマスター II で世界的に知られている機能で、住んでいる国の時刻(ホームタイム)と時差のあるもうひとつの国の時刻(ローカルタイム)の二つの時間帯をひとつの腕時計で表示できる機能である。そのため時分針とは別にもうひとつGMT針と呼ばれる副時針と、24時間表示のベゼルを装備しているのが一般的な仕様だ(下の写真参照)。