
筆者自身が時計を作るようになって初めて知った国産の汎用自動巻きムーヴメントの「なぜ」と感じた意外な点について、連載3回目は「GMT機能編」をお届けする。
最初に、GMT機能とは何かを簡単に説明すると、スイスの高級時計メーカーであるロレックスが旅客機のパイロット用に時差のある二つの国の時間帯を同時に表示させるために、時分針とは別にもうひとつ“GMT針”と呼ばれる副時針(トップ写真の三角の赤い針)と24時間表示の回転ベゼルを設けて1950年代に開発したものである。そしていまや大人気となっているGMTマスター IIの初代モデルに装備されたのがはじまりだ。