1980年代リビルドシリーズ|11万円〜

オールドムーヴメントを搭載した1980年代のデッドストックをアンティークの雰囲気にリビルド!

 アウトラインの第4作目は、1980年代に日本で実際に販売されていた製品で、デッドストックとなっていたスイスメイドの手巻き式時計を、ムーヴメントとケースはそのまま生かして、文字盤や時分針のデザインだけを作り変えた、いわゆるリビルド品です。

 もともとのデザインは丸形、角形ともに白文字盤をベースにしつつ、角形に至ってはノーインデックスタイプのデザインが採用されており80年代らしいとてもスッキリとしたものでした。ただいくら希少なデッドストック品といえども、時計はやはり顔が命。しかもデザインにはトレンドがあるため、単純にオーバーホールして整えただけではなかなか評価は得られません。そのため今回はデザインを1940〜50年代のアンティーク風にするべく、文字盤をすべて作り変えたというわけです。

 デザイン案を考えるにあたり、角形については意外と簡単に方向性が決まったのですが、丸形のムーンフェイズクロノグラフはかなり苦労しました。あれやこれやと恐らくは3〜4カ月ぐらいはかかったと思います。

 なぜ難しかったのかというと、本来クロノグラフにムーンフェイズが付く場合はカレンダーと合わせてインダイアルの円の中に設けられることが多いためバランス的に見ても何ら違和感がありません。しかしこれの場合はムーンフェイズが独立し、その小窓の形と二つのインダイアル(12時積算計とスモールセコンド)の丸とが形も位置もバラバラで、デザインがアンバランスに見えるためです。ムーヴメント自体の構造がそうなのだから致し方ないのですが、まずはどうやってバランスよくキレイに見せるかに頭を悩ませたのでした。その意味では、苦労の甲斐あってデザインもバランス的にもいい感じで仕上がったと思っています。

 今回のリビルドシリーズは全部で3種類あります。バルジュー社の手巻きクロノグラフキャリバー7768を搭載した“ムーンフェイズクロノグラフ7768”が1種類(写真上)、フォンテンメロン社の手巻きキャリバーFHF138を搭載した角形モデルが“レクタンギュラー138IV(アイボリー文字盤)” と“レクタンギュラー138BL(ブラック文字盤)”の2種になります。

 ムーヴメントはバルジュー社もフォンテンメロン社も1980年代のスイスにおけるムーヴメントメーカーの再編によってETA社に吸収されてしまったため現存していませんが、アンティークの世界ではよく知られるスイスの歴史あるムーヴメントメーカーです。

 そのひとつバルジュー社は時計好きなら誰もが知る1901年創業のクロノグラフムーヴメントの名門です。手巻きのクロノグラフムーヴメントCal.72は1960年代のロレックスのデイトナに採用されたことは有名な話です。7700系の自動巻きCal.7750は、現在でもETA社の基幹クロノグラフムーヴメントとして存続し、様々なブランドの時計に採用されるほどとても優秀なムーヴメントです。

 一方のフォンテンメロン社は、1793年創業と古く、1900年代初頭には年産1000万個、従業員数約1000人を抱える大手で、ムーヴメント専業メーカーとしてはかつて2番目の生産量を誇っていました。小振りな手巻きムーヴメントを得意とし、1940年代にはロレックスの手巻きモデルにも採用されていたほどで、その信頼性は高かったと言えます。

 今回は、1980年代当時の未使用のデッドストック品ではありますが、手巻きムーヴメントにおいてはそのまま使うのではなく、すべてオーバーホールを実施し、調整を行なったうえで組み上げられています。そのため30年以上経った製品ではあるものの、ムーヴメントについては1年保証が付くため安心して楽しめます。

 さて、このリビルドシリーズ最大の魅力は二つあります。ひとつ目は現在生産されていないデッドストックの希少なオールドムーヴメントだという点です。かつての名門メーカーのムーヴメントを搭載した30年以上も前のスイスメイドの時計が、しかも未使用で手に入れられるということはそうあることではありません。

 二つ目はオールドムーヴメントによって実現した小振りなサイズです。特にムーンフェイズ付きのクロノグラフながら36mm径というサイズは、現代においてこの価格帯で手に入れることはなかなか難しいと言えます。また、この小振りでクラシカルな雰囲気であればちょっとしたドレスウオッチとしても嫌味なく着けられる点も大きな魅力と言えるでしょう。

》リビルドシリーズはこんなところも魅力です

1)1980年代らしいプラスチック風防のフォルム

 風防ガラスにはアクリルガラスを使用しています。ムーンフェイズクロノグラフにはぷっくり盛り上がったドーム型が採用され、レクタンギュラーにはケースの形に合わせたボックス型の風防が採用されている点も時代を感じさせる古典的なディテールと言えます。

2)ステップドタイプのケースがクラシカル

 ムーンフェイズクロノグラフとレクタンギュラーのブラック文字盤タイプは、両者ともに階段状の段差を設けた古典的なステップドタイプのケースが採用されております。そのためぐっとクラシカルな雰囲気を楽しめます。

3)アイボリー文字盤はワイヤー型を採用

 角形のアイボリー文字盤タイプのケースには階段状の造形は採用されず、その代わりに革ベルト用に細いワイヤー状のパーツをケースに取り付けた、通称ワイヤーラグが採用されています。角形ながらシンプルで丸みを帯びたケースにマッチし、古典的で落ち着いた雰囲気が魅力です。

4)裏ブタにはシリアルナンバーを刻印

 3タイプともに数量限定のため、裏ブタにはすべてのモデルに対してシリアルナンバーを刻印、限定本数が証明されています。ムーンフェイズクロノグラフが限定17本。レクタンギュラー(アイボリー文字盤)が限定32本(内シルバーケースが6本)、レクタンギュラー(黒文字盤)は限定33本(内シルバーケースは15本)とどれも数量はわずかです。

<デッドストック品についてのご注意>

本製品は未使用品ですがあくまでも30年前の商品です。そのため現在の商品とは作りも性能もかなり異なります(どちらかというとアンティークウオッチに近い)。したがって、購入にあたっては以下の点についてあらかじめご承知おきください。

●製品化に当たっては外装がキレイな状態の物を選んでおりますが、外装に対しての磨きなどは施せないため、ルーペ等で確認すると小さな傷や若干の変色が見られる場合があります。デッドストック品のため予めご了承ください。

●ケースは真鍮製で、裏ブタにはステンレススチールが使われていますが、当時の構造のままのため非防水です。着用時には雨や汗などにも注意が必要となります。

●ムーヴメントについては、1度オーバーホールを行い調整もしておりますが、オールドムーヴメントのため、精度については姿勢差や環境によっても今後バラツキが出てくる可能性があります。また、現在のムーヴメントとは違い、デリケートな部分もあります。よって、ご使用の際はあまり激しい動きは避けるようにしてください。

》リビルドシリーズ商品ラインナップ

【ムーンフェイズクロノグラフ7768】

【SPEC】
・型番:Ref.YK20203-1
・素材:[ケース]真鍮(メッキ)、[裏ブタ]ステンレススチール、[ベルト]リザード(トカゲ革)、裏材はカーフ
・サイズ:ケース径36mm、ケース厚12.2mm
・防水性:非防水
・駆動方式:手巻巻き(ヴァルジュー社製 Cal.7768/17石/毎時2万8800振動(日差-20秒+40秒)/最大巻き上げ時約42時間パワーリザーブ/秒針停止機能付き)
・機能:クロノグラフ(30分積算計)、スモールセコンド、ムーンフェイズ表示、デイト表示
・限定本数:17本
・希望小売価格:24万2000円
・保証期間:1年間

 ゴールドのアルファ針にアップライト仕様のローマンインデックスを合わせて1950年代風のデザインに仕上げています。
 12時位置の30分積算計には、当時の積算カウンターに見られたテレホンユニットをさりげなく再現。かつては電話料金が3分ごとに加算されたため、それを確認するため3分ごとに目盛りが長くなっているというもので、実は50年代当時のクロノグラフの多くに採用されていたものです。
 そして、このモデルの魅力は何と言ってもムーンフェイズ(月齢表示)にあります。その小窓も大きく、しかもディスクに描かれた月にはいまでこそほとんど表現されなくなった顔が描かれており、アンティークウオッチさながらの古典的な雰囲気が楽しめます。製品化できたのはわずか17本と希少です。

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【レクタンギュラー138IV】

【SPEC】
・型番:Ref.YK20203-3(ゴールド)、Ref.YK20203-2(シルバー)
・素材:[ケース]真鍮(メッキ)、[裏ブタ]ステンレススチール、[ベルト]リザード(トカゲ革)、裏材はカーフ
・サイズ:ケース径24×31mm、ケース厚8.3mm
・防水性:非防水
・駆動方式:手巻巻き(ホンテンメロン社製 Cal.138/17石/毎時2万1600振動(日差-30秒+50秒)/最大巻き上げ時約42時間パワーリザーブ/秒針停止機能なし)
・機能:スモールセコンド
・限定本数:32本[そのうち6本(シルバー)、26本(ゴールド)]
・希望小売価格:各11万円
・保証期間:1年間

 オリジナルは、文字盤に数字などのインデックスや装飾は何もなく時分針だけというものでした。つまりノーインデックスタイプのドレスウオッチだったためファッション性の強いものだったのです。それを今回はブレゲ風のアップライト(立体的な)のアラビア数字に置き換えて、1940年代のアメリカ製角形時計、俗に言う“角金時計”のような雰囲気に仕上げました。
 ケースは丸みを帯びたシンプルなレクタンギュラーケースで、細身のワイヤーラグが施されたとても古典的なスタイルのため、ホワイト文字盤には少し経年変化したようなアイボリー系のカラーを採用。アラビア数字インデックスと時分秒針にはゴールドを使用し、大人っぽい落ち着いたデザインに仕上げています。製造数は全32本。

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【レクタンギュラー138BL】

【SPEC】
・型番:Ref.YK20203-5(ゴールド)、Ref.YK20203-4(シルバー)
・素材:[ケース]真鍮(メッキ)、[裏ブタ]ステンレススチール、[ベルト]リザード(トカゲ革)、裏材はカーフ
・サイズ:ケース径23.5×37mm、ケース厚9.1mm
・防水性:非防水
・駆動方式:手巻巻き(ホンテンメロン社製 Cal.138/17石/毎時2万1600振動(日差-30秒+50秒)/最大巻き上げ時約42時間パワーリザーブ/秒針停止機能なし)
・機能:スモールセコンド
・限定本数:33本[そのうち15本(シルバー)、18本(ゴールド)]
・希望小売価格:各13万2000円
・保証期間:1年間

 こちらの角形タイプは、もともとケースの作りに魅力的な特徴がありました。側面に段差を設けた通称ステップドタイプのケースが採用され、加えて12時と6時位置にはさりげなくちょっとしたオーナメントがあしらわれるなど、時代を感じさせる造形が施されています。しかも、このオーナメント自体は別体で取り付けられたもので、作りも凝っていたのです。
 そのため文字盤デザインは、この装飾的なケースに対してそれをおさえる意味で、あえて地色にブラックを採用しつつ、インデックスに太めのアラビア数字を使い、文字盤デザイン自体を男っぽく存在感のあるものにしています。製造数は全33本。

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