セコンドセッティング|SECOND SETTING|55,000円

 アウトライン・セコンドセッティングは1929年にパイロット向け腕時計として製品化された、通称“ウィームス・セコンドセッティングウオッチ”と呼ばれる航空時計。その第2世代機である40年代頃のモデルをベースに再現したものです。20年代当時に航空航法の第1人者であったアメリカ海軍のP.V.Hウィームス大佐が考案したことからこのように呼ばれるようになったもので“ウィームスウオッチ”とも呼ばれます。

 最大の特徴は60秒表示目盛りが付いた双方向回転ベゼルと、計測時にベゼルが動いてしまうのを防止するためのロック機構が装備されており、それを操作するための大きめのボタン(4時位置)と時刻調整などを行う通常リューズ(3時位置)の二つを装備した仕様になっている点が特徴です。

 使い方はいたって単純。ベゼル上の“60”の位置を計測開始時の分針の位置にセットするというものです。そうすることによって分針と秒針とによって何分何秒経過したかが細かくわかります。これがいわば“セコンドセッティング”という愛称の由来でもあります。

 今回は文字盤カラーとしてブラックとブルーグラデーションの2種類を用意。加えてベゼルの目盛りもブラック文字盤は10秒ごと、ブルーグラデーション文字盤は5秒刻みで数字を配置するなど全体の雰囲気も多少変えました。

“ウィームス・セコンドセッテイングウオッチ”はなぜ生まれたのか

 第1次世界大戦以降、航空機が結果を大きく左右するほど戦術的に重要な位置づけになりつつあった1920年代後半。作戦を遂行するうえで腕時計の重要性も次第に高まっていきました。

 時速数百キロメートルで飛行する航空機では、1秒の違いで距離に大きな誤差が生じてしまいます。そのため秒単位まで正確に計測することが求められるようになったのです。そこでウィームス大佐は「秒針で調整するのではなく、秒目盛り自体を動かす」という逆転の発想から航空士のための計時方法を考案。それを時計メーカーのロンジンが腕時計として開発したものです。

 開発当初は秒目盛りが付いた文字盤中央部のディスクが回転するタイプ(上の写真右)で47.5mm径のかなり大きなものでしたが、その後に回転ベゼル式に改良が加えられて小型化した第2世代(上の写真左)が登場。1940年代にはオメガ(下の写真参照)やモバード、ジャガー・ルクルトなどロンジン以外の時計メーカーも製造を行いアメリカやイギリスに軍用時計として多くが納入されていたのです。

 なお、第2世代のベゼルロック操作用のボタンは2時位置の場合と4時位置がありましたが、本製品では4時位置で再現。また、ベゼルをロックするための止め金具は、メーカーによっても時代によっても微妙に違っていたようです。今回アウトラインが採用したのは、イギリス空軍に納入された当時のロンジン(下の写真)が採用していた止め金具の仕様です。それは構造的にとても理に叶ったものだったからです。

 その理由は大きく二つあります。ひとつは、先に掲載した写真のオメガを見るとわかりますが、ベゼル側面に設けられたギザギザ型の溝に一カ所で噛み合う仕様です。それに対してロンジンは金具両サイドの二つの爪が2カ所で噛み合うしっかりとした構造だという点。

 もうひとつはその止め金具の両サイドには、ベゼル操作のために金具を緩めたときにそれ自体がくるりと回転してしまわないように、両側にはそれを防止するための突起が設けられている点です。結果これによってネジを締めて固定したときには、さらに堅牢性が増すよう工夫されています。

“アウトライン・セコンドセッティング”の詳細をチェック!

1)誤作動防止用に考案された当時のロック機構を忠実に再現

 前述したように1940年代のロンジンでイギリス軍に納入されたと言われている個体の機構に倣い、左右2カ所の出っ張りがベゼルの刻みと噛み合うように堅牢に作られたタイプのものを再現しました。

2)当時の雰囲気を強調するフラットベゼルとドーム風防

 1940年代当時の古典的な雰囲気を残すために、回転ベゼルの表面には傾斜を付けずにフラットに処理しました。そして風防ガラスにはミネラルガラスのK1強化ガラスを採用しつつ、ベゼルの表面よりも少しはみ出させて柔らかな曲線のドーム形としました。

3)アラビア数字は2段階処理で立体的によりハッキリと

 アラビア数字のインデックスは立体感が出るように白いペイントで数字をプリントした後、その上に色を加えて文字が焼けたような色合いにエイジング処理を施した夜光を塗布しています。なお、アラビア数字の夜光は色を混ぜているため、強い光を当てもほとんど光りません(ローザンジュ針は若干光ります)。あらかじめご了承ください。

4)ミヨタ製の最上位機、9000系自動巻きムーヴメントを搭載

 搭載する9000系は、日本を代表する時計メーカー、シチズンのエボーシュムーヴメント部門であるミヨタが開発した自動巻きムーヴメントです。同社の8000系の廉価版と違い、毎時2万8800振動のハイビートで精度も非常に高く、ヨーロッパやアメリカなど海外でも信頼性の高い機械式ムーヴメントとして多くのメーカーで採用されています。今回採用したCal.9039は9000系の中でも最も薄型のタイプです。

古典的でシックなデザインはジャケットスタイルにも似合う

 ケースサイズ38mm径に厚さ12.7mmとほど良く着けやすいサイズ感に加えて、ベースデザインが軍用時計ということもあって、元々が古典的で落ち着いた雰囲気のためファッション的には合わせやすいこと請け合いです。

 ブラック文字盤はもちろんですがブルー文字盤タイプでも全体がブルーではなくグラデーションとなっているため、オリジナル製作のバンブーブレスレット(別売)、もしくは市販の黒っぽい革ベルトを合わせれば、ジャケットスタイルならビジネスシーンでも適度な差し色として楽しめます。

【アウトライン・セコンドセッティング】

【SPEC】
●型番:Ref.20222-1BK(ブラック)、Ref. 20222-2BL(ブルー)
●素材:(ケース)316Lステンレススチール、(ベルト)イタリア製ヴィンテージ調レザー、裏材は汗に強い合成皮革ロリカ製
●サイズ:ケース径38mm、ケース厚12.7mm
●防水性:10気圧防水(日常生活用強化防水)
●駆動方式:自動巻き(日本製Cal.MIYOTA9039 /24石/毎時2万8800振動(日差-10秒+30秒)/最大巻き上げ時42時間パワーリザーブ/秒針停止機能搭載)
●装備:双方向回転ベゼル、ベゼルロック機構(4時位置)、シースルーバック
●希望小売価格:各5万5000円(組み立て:日本)、各150本限定
●保証期間:1年間


Ref.YK20222-1BK(ブラック)

パイロット向け腕時計として秒単位での経過時間計測を可能とした通称“ウィームス・セコンドセッティングウオッチ”。軍用時計としても採用された1940年代の第2世代機のデザインをベースに、60秒表示目盛りが付いた双方向回転ベゼルと、当時のベゼルロック機構を忠実に再現。このモデルはベゼルのアラビア数字目盛りを10秒単位で表示した最もベーシックな軍用スタイルのデザインを採用しています。

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Ref.YK20222-2BL(ブルー)

パイロット向け腕時計として秒単位での経過時間計測を可能とした通称“ウィームス・セコンドセッティングウオッチ”。軍用時計としても採用された1940年代の第2世代機のデザインをベースに、60秒表示目盛りが付いた双方向回転ベゼルと、当時のベゼルロック機構を忠実に再現。このモデルは、ブルーグラデーションのモダンなカラーリングに加えて、ベゼルの目盛りには当時のジャガー・ルクルトなどに見られた5秒刻みにアラビア数字を使ったデザインを採用しています。

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