イギリス空軍にも制式採用された往年のバンブーブレスを忠実に再現
“バンブーブレスレット”とは多数の縦長O型リングを板状のステンレスパーツ(以降コマと言う)を折り曲げて繋げていきながら作り上げたもの。これの最大のメリットは、長さを自在に、しかも簡単に調整ができるというところです。
ブレスレットの6時側は実際の手首の太さよりもかなり長めに作られており、12時側の先端にある折り返しリングにそれをとおして2 重になる。つまりこの部分で長さを調整するというタイプです。
6時側ブレス先端のクリップ(留め金)に設けられているL型フック(上の写真)をコマとコマの隙間に差し込み引っ掛けて留める。どの場所の隙間であっても留められるため、長さは自在に調整できるというわけです。
開発したのはダッドリー・ラッセル・ホーウィットという人物で、1930年と31年にイギリスとドイツでそれぞれ特許を取得しており、正式な商品名は“ボンクリップ”と言います。イギリスのBHブリトン&サンズ(B.H.B&S)というジュエリーメーカーによって40年以上にわたって製造されていました。
バンブーブレス自体は仕様こそ若干違うものの、後にゲイフレアー社などの様々なブレスレットメーカーによって作られるようになりました。しかしボンクリップのそれは、そのなかでも装着感は抜群に良く、イギリス空軍に制式に採用されていた実績をもちます。厚手の飛行服の上から着ける際の利便性が評価されたのでしょう、資料によると81年ごろまで使われていたようです。そのため本製品は、このボンクリップのバンブーブレスをモチーフにして、より完成度を高めることに主眼を置きました。
上の写真は当時のボンクリップのバンブーブレスレットです。その当時は時計本体が32〜35mmと小振りだったため、ブレスレット自体は細め(写真の極細タイプは女性向け)にできており、ブレスレット幅は16mm以下というのがほとんどでした。そのためアンティークの愛好家は、ウィームスモデル(写真中央)などの小振りな軍用時計、あるいは1940年代の角形時計などにオリジナルを合わせて楽しまれていることが多いです。
なお、今回のオリジナルの製造は前回のリベットブレスレットに引き続き老舗のベルトメーカーとして知られるバンビ社が行っていますが、開発にあたっては、南青山に店舗を構え、アンティークの軍用時計専門として時計愛好家によく知られる人気ショップ“キュリオスキュリオ”が監修。オリジナルに忠実に再現するために、細部にわたってアドバイスをいただきました。そして、その仕上がりについては同店も太鼓判を押すほどの高い完成度を誇ります(キュリオスキュリオでも販売中)。
》アウトライン・バンブーブレスレットはここがスゴイ!
1)ケースサイズが大きめの時計にも対応
前述したように当時のオリジナルは、時計本体自体が小振りだったこともあって、細めにできていることが多くブレスレット幅が16mm以下というのがほとんどでした。そのため少し大振りケースの時計だとなかなかバランス的に合いません。
そのため今回は、ブレスレット幅を18mmとし、エンドビース(バネ棒を使って時計本体のラグにつなぐ部分)も18mmと20mmの2種類のタイプを用意。現在一般的となっているケース径が40mmぐらいの腕時計であっても合わせられる点が大きな特徴です。写真は現在販売中の38mm径のアウトライン・ミリタリーType1940に、ラグ幅18mmタイプを装着したときの雰囲気です。
2)スライド時でのなめらかな動きを実現
ステンレススチールの板を折り曲げてつなぐコマは、筒状にせずにさらに内側に巻き込むようにして処理されています。理由は手首の太さに合わせるためにブレスの6時側をスライドさせる際、コマが引っかかることなく滑らかに動くようにするためです。これは他社のバンブーブレスにはあまり見られない手法であると同時に、このことによってコマが裏返ってつなぎ目が表側に出るなんてこともありません。また、縦長O型リングの中央の空き具合も極力小さくし、パーツの厚み、仕上げなどもボンクリップにできるだけ近づけました。
3)新しすぎず古すぎない。程よい光沢感のある仕上げ
表面の仕上げについてもこだわった点のひとつです。ポリッシュ仕上げのように鏡面のギラギラ感を出さず、かといって安っぽくならないよう適度な光沢感をもたせつつも、アンティークの時計に合わせてもバンブーブレスだけが浮かないような、ほどよい雰囲気に仕上げました。
4)軽快感のある着け心地
小さなパーツが繋がっており、コマとコマの間に適度に隙間があることから、通常の肉厚なメタルブレスレットとはまた違った軽快感のある着け心地が楽しめます。また、見た目にも古典的なイメージが強まり、通常のブレスレットとはまた違った雰囲気となるため目を引くことは間違いないでしょう。暖かくなったら素肌に着けて、秋以降は長袖の上に着けるなどして楽しめます。
5)着け方はいたって簡単です。
まず6時側のブレス先端に付くクリップ(留め金)のアウトラインのロゴの部分(写真下の中央部分参照)の出っ張りを指で上にはね上げてロックを解除しておきます。次に、写真上のように時計を手首に載せ、折り返しリングをとおして2重になっている6時位置側の長いほうのブレスレットを手首の太さに合うまで引っ張ります。その後、ブレスレットに適度にテンション(張力)がかかった状態の位置にあるコマとコマの隙間にクラスプのL 型フックを差し込んで引っ掛けます(写真下)。最後に、外れないようにアウトラインのロゴが入ったクリップ上部をパチンと閉じて終了です。
【アウトライン・バンブーブレスレット】
【SPEC】
・型番:Ref.YK 20212B- 18R(ラグ幅18mm タイプ)
Ref.YK 20212B- 20R(ラグ幅20mm タイプ)
・素材:ステンレススチール
・サイズ:手首周り16 〜20cm に対応
・希望小売価格:1万9800円
※腕時計のラグ幅に応じて、18mm タイプと20mm タイプの2種類が用意されています。なお、手首周りは装着する時計本体の大きさやラグの長さによっても変わりますが、16〜20cmを想定しています。そのため大柄な人や極端に手首の細い人はご注意ください。
※バンブーブレスには、簡易ストッパーが付いていますが、通常のブレスレットにあるような三つ折り式のバックルとは違い、ブレスレットにある程度のテンション(張力)が働いていないと、まれに外れることがあります。
手が大きめの人や手首周りが19cm以上の人は手の甲周りもご確認ください!
※時計に装着した際のバンブーブレスレットの長さは24.5cmとなります。手首周りが20cm以内の方でも、手が大きいために手の甲が入らない場合があります。特に手首周りが19cm位から20cmの方は、上の写真の赤い線の位置の手の甲周りが24.5cm以内かどうかも併せてご確認ください。
イギリスのBHブリトン&サンズ(B.H.B&S)社によって1930年代から40年以上にわたって製造され、イギリス空軍に制式に採用された実績をもつ往年のバンブーブレス(製品名はボンクリップ)。今回はアンティークの軍用時計専門店として有名なキュリオスキュリオ監修の下に当時のオリジナルに忠実に再現しました。
【購入はコチラ】Ref.YK20212B-18R(ラグ幅18mmタイプ)