パイロットクロノ20thリミテッド|Pilot Chrono 20th Limited|37,400円

 2001年に創刊した高級腕時計の専門誌「パワーウオッチ(POWER Watch)」も、おかげさまで昨年(2021年)11月をもって20年という節目の年を迎えました。“パイロットクロノ20thリミテッド”はそんな20周年を祝して特別に製作したアニバーサリーモデルです。

 このパイロットクロノ20thリミテッドですが、おそらくは顔を見てピンとくる人も多いのではないでしょうか、特にアンティークウオッチ好きの人ならなおさらだと思います。そう、知る人ぞ知る1940年代に空軍士官向けに開発されたと言われ、通称“フライングオフィサー”の呼び名でもよく知られる2カウンタークロノグラフの名機がモチーフです。そのため全体的に古典的な雰囲気を失わないよう、細部にわたって仕上げやディテールにこだわって作りました。

 デザインのバリエーションは、スッキリと見やすく落ち着いたデザインの最もベーシックなタイプと文字盤中央に赤いスネイルタキメーターという計測スケールを配したタイプが2種類の全部で3タイプを用意しました。

 そして最大の特徴は、クロノグラフ機構に加えて、文字盤外周に世界23都市の名前が配されている点です。つまり、同時に時差の違う二つの国の時刻が表示できる点にあります。これは40年代当時のフライングオフィサーの大きな特徴でもあリました。このモデルは日本の時刻(ホームタイム)を基本として、文字盤に記載されている23のどれかひとつの都市の時刻(セカンドタイムゾーン)を同時に表示できるようにしました。仕組みこそ違いますがGMTウオッチと同様の機能を有しています。

 また、ムーヴメントにはセイコーのメカクォーツクロノグラフ、VK64を採用。クロノグラフの計測針については1秒毎に運針するステップ運針ではなく、機械式のクロノグラフムーヴメントのように滑らかな動きのスイープ運針となります。さらに計測停止後にクロノグラフ秒針をゼロリセットする際も、機械式モデルのようにリセットボタンで瞬時に帰針する点は、他社製のメカクォーツにはない魅力です。

 

1940年代当時のギャレット社のフライングオフィサー

 この写真がギャレット社の開発した1940年代のフライングオフィサーです。1から12までの数字が刻まれた回転ベゼルと世界の主要都市を示すダイアルインジケーターが特徴です。これはパイロットが飛行中に時差を確認するための機能として設けられたもののようで、アメリカ陸軍のパイロットからの要望で開発されたといわれています。そのためなのでしょう、都市名は12時位置の「NEW YORK」を起点に設けられています。

セカンドタイムゾーンの表示の使い方はとても簡単!

 時差の違う第2国のタイムゾーンをどうやって表示するのかを説明します。実はとても簡単です。上の写真をご覧ください。1から12までの数字が刻まれた回転式ベゼルの「12」だけが赤く塗られています。この赤い12は通常「TOKYO」に当たる12時位置が正位置となります。これを時刻が知りたい都市名の中央に移動させるだけでいいのです(①)。つまり、そうすることでベゼル上の数字が選択した都市の時表示(アワーマーカー)となり、時針の指し示すベゼル上の数字がその都市の現在時刻(分についてはホームタイムと同じ)というわけです(②)。なお、選んだ都市がサマータイム期間の場合は、その都市の夏時間に合わせてベゼルを調整してください。

 また、文字盤外周に配されている都市名は、すべて日本との時差を基準に配置しています。そのためセカンドタイムゾーンが確認できるのは、23都市のどれかに限定されます。もしも、海外に赴いてその国をホームタイムとして日本以外の他国との間の時刻を表示させたい場合は、2国間の時差をあらかじめ確認したうえで、文字盤上の都市名に関係なくその時差分のベゼルを回転させることで同じように利用できます。

 また、回転ベゼルは右回転(時計回り)だけに動きます。日本を起点に考えた場合に、シドニーなど太平洋に位置する一部の都市を除いて、多くがマイナス時差(日本の時刻よりも遅い)となることと、回転ベゼルの操作性を高めるためです。

“パイロットクロノ20thリミテッド”の魅力と五つのこだわり

1)ドーム形のプラ風防で当時の雰囲気を強調

 ベゼルは当時の雰囲気を出すためにソリッド感のある仕上げを施しました。ただ、ケースの側面には鏡面仕上げを施すことで多少の高級感ももたせています。また、風防ガラスには1940年代に一般的だったアクリル製のプラスチック風防を採用。しかも大きく張り出したドーム形とすることでグッと古典的な雰囲気を強調しています。

2)インダイアルは1段下げてさらに装飾も

 3時位置と9時位置にあるインダイアル(右は24時間計、左は60分積算計)は、全体に溶け込まないようにしてメリハリを付けるために文字盤よりも1段下げることで立体的に表現。さらにそこには単調にならないように同心円状の装飾を施しています。

3)スネイルタキメーターを採用した古典スタイルも用意

 3種類用意したデザインバリエーションのなかには文字盤中央に赤いタキメータースケールを配したデザインも加えました。タキメータースケールというのは、時速を計測するためのもので、文字盤中央の場合は時速60km以下の速度を計測するときに使われました。時計愛好家の間では渦巻き状になっていることからスネイル(日本語で巻貝)タキ、あるいはエスカルゴラインなどと呼ばれ、現代のようにスピードがそれほど早くなかった1940年代ならではの特徴とも言えます。ちなみにさらに速い速度を計測する場合は、文字盤外周やベゼル上に設けられるのが一般的です。

4)特別モデルとして“The 20th”を裏ブタに大きく刻印

 裏ブタに記念モデルとして“POWER Watch The 20th Anniversary”と各200本限定を証する1〜200までのシリアル番号が刻印されます。また、ヴィンテージ調の革ベルトは、工具なしで着脱できるピンレバー仕様。素材には生後2年を経過したメスの牛の皮、オイリーカウハイドを使用しました。カーフスキンより厚みがあって丈夫にもかかわらず柔らかいため、すぐに手になじみます。裏材は汗に強い合成皮革のロリカ仕様です。

5)信頼性の高い、メイド・イン・ニッポン

 雰囲気が良くても時間を知る道具としての信頼性がなければ意味がありません。そこで、針の取り付けからムーヴメントの組み込み、そして防水性、チリやホコリの混入などのすべての品質管理は、多くの国産時計メーカーに実績のある長野県安曇野市にある精密機器メーカー、南安精工にて行ないます。

 

古典的な雰囲気がジャケットスタイルにマッチする

 写真はスネイルタキメーターの無い最もベーシックなRef.YK20221-1BLを装着。ソリッド感のある回転ベゼルにアラビア数字インデックスにも経年変化で少し焼けたような色合いのアイボリーを使うなど古典的な雰囲気のため、週末のオフスタイルはもちろん、ビジネスシーンでのジャケットスタイルにもちょっとしたアクセントとして楽しめます。

【パイロットクロノ20thリミテッド】

【SPEC】
●型番:Ref.YK20221-1BL、Ref.YK20221-2BL(スネイルタキ)、Ref.YK20221-3IV(スネイルタキ)
●素材:(ケース)316Lステンレススチール(ネジ込み式リューズ)、(ベルト)イタリア製ヴィンテージ調レザー
●サイズ:ケース径42mm、ケース厚14.7mm
●防水性:3気圧防水(日常生活防水)
●駆動方式:クォーツ(セイコー製Cal.VK64)
●特記事項:クロノグラフ(9時位置に60分積算計)、24時間計(3時位置)
●希望小売価格:各3万7400円(組み立て:日本) 、初回生産本数:各200本
●保証期間:1年間

Ref.YK20221-1BL

高級腕時計の専門誌「パワーウオッチ(POWER Watch)」創刊20周年を祝して特別に製作したアニバーサリーモデル“パイロットクロノ20thリミテッド”。このモデルはスッキリと見やすく落ち着いたデザインで最もベーシックなモデルです。

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Ref.YK20221-2BL(スネイル)

高級腕時計の専門誌「パワーウオッチ(POWER Watch)」創刊20周年を祝して特別に製作したアニバーサリーモデル“パイロットクロノ20thリミテッド”。このモデルは文字盤中央にスネイルタキメーターをプリントした、古典的な雰囲気が特徴です。

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Ref.YK20221-3IV(スネイル)

高級腕時計の専門誌「パワーウオッチ(POWER Watch)」創刊20周年を祝して特別に製作したアニバーサリーモデル“パイロットクロノ20thリミテッド”。このモデルは文字盤中央のスネイルタキメーターに加えて、二つのインダイアルにアイボリーを使った人気の通称逆パンダダイアル仕様です。

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